江下雅之 ESHITA, Masayuki |
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1959年、横浜生まれ。専門はメディア社会論、情報社会論、社会ネットワーク論など。好きなスポーツはローラースケート、趣味はツーリング、ライフワークは昭和40年の新書判コミックスの収集である。 twitter massa27 |
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■ 2005年08月 アーカイブ |
いずれもLaser Disc版です。
『レオン』リュック・ベッソン監督
ジャン・レノ、ゲリー・オールドマン、ナタリー・ポートマン出演
あの「パドメ」のデビュー作ですね。トチ狂った麻薬捜査官に家族を殺された少女(ポートマン)と、隣人にして街の始末屋(レノ)との共同生活と少女の復讐を描いた物語。ポートマンのデビュー作ですが、小悪魔的なませガキぶりが、優等生パドメよりもハマった感じですね。
凄腕の始末屋なのに、毎日かならず牛乳を飲んだりとか、鉢植えの植物をやたらていねいに育てたりとか、タフガイではない雰囲気はいいっすね(笑)。シティ・ハンターの遼ちゃんみたいなもんだな。
ストーリー自体は「ありがち」なもので、展開も予想通りに進みますが、ラストの「マルチナの贈り物」の場面はなかなか。イカれた麻薬捜査官の「Shit !」のセリフが生きてます。
『エレベーターを降りて左』エドアール・モリナロ監督
エマニュエル・ベアール、リシャール・ボーランジェ、ファニー・コタンソン出演
人妻に恋した画家、隣人にして嫉妬狂いの画家、その恋人の「勘違い」の積み重ね……だけのストーリー。よくまあ勘違いネタだけで2時間もの映画にできるもんだわ(笑)。ベアールの「お色気」が売りの映画なんだろうし、まあ、けっこういい感じではあるのですが(笑)、ファニー・コタンソン演じる人妻の方がオレ好みです(笑)。勘違いの積み重ねは、見ていてけっこういらつくのですが(ということは、ストーリー的には成功している、ということ)、最後がそれなりの「一件落着」というのは、フランス映画としてはちょい不満。やっぱりどこか破綻してなきゃね(笑)。
監督:ハワード・ホークス
出演:ゲーリー・クーパー、ウォルター・ブレナン、ショーン・レスリー
昨夜はもう1本見ちゃいました。これもLaser Disc版です。
35年ぐらい前に一度、日曜洋画劇場か何かで見たハズなのですが、そのときはヨーク伍長がドイツ軍の大軍を一人で捕虜にする場面しか覚えておりませなんだ。今回見て、なぜその場面しか記憶になかったのか納得。だって、それまでは貧乏な百姓のセガレが、自堕落→恋に目覚める→勤労青年→敬虔なクリスチャンと変貌する過程を描くのみで、子どもにおもしろかろうはずがない(笑)。
主人公が、愛の精神と戦争という殺人行為に加担することに葛藤するところが、この映画の一つのクライマックスなのでしょうけど、葛藤を克服したロジックが「戦争は自由を守るためのもの」ですから、このころから今にいたるまでのアメリカ精神の一貫性を感じることができます(笑)。
この作品で主演男優ゲーリー・クーパーは、「市民ケーン」のオーソン・ウェルズを抑えてアカデミー主演男優賞を受賞しています。こっちの方が、アメリカ人好みなんでしょうねえ。
監督:ジャック・リベット
出演:エマニュエル・ベアール、ジェーン・バーキン、ミシェル・ピコリ
長かった。なにしろ239分ですからねえ。こんなに長い映画を観たのは、『風と共に去りぬ』以来……というか、ほかに4時間クラスの映画って、なにかあったっけ?
カンヌ映画祭に出品された当時、ベアールのヌード場面が話題になりましたね。たしかに後半2時間はほとんど裸です。このときベアールは何歳だったんだろう。いやその、乳の形がすげぇ良かっただな。正面から見ると、いわゆるロンパリ型の開き乳なんだけど、斜め前方から見た形状が抜群ですね。ツンと尖った感じといい、弾力の良さそうな張り具合といい、ええもん見さしてもらいましたわ。
ストーリーは、あってないようなもの。モデルと画家の「対決」場面ばかりですから。マリアンヌ(ベアール)がどうして突然モデルを引き受ける気になったのか、とか、老画家(ピコリ)がなぜ「美しき諍い女」なら描く気になるのか、とか、なぜかつてそれを断念したのか、とかを描写する場面もなし。
後半は、場面のほとんどがアトリエでの画家とモデルを描くものだったので、舞台を見ているような気分になりますね。
ちょうど半分が過ぎたぐらいで、ちょっと飽きてしまいましたが、一応、最後まで見ることができました。気まぐれで勝ち気なマリアンヌが終盤で文字通り「諍い女」になっていくところは、緊張感がありましたね。
この映画、デッサンを描く場面でスケッチブックがクローズアップされるところが多いのだけど、それをひきさくペンの音が神経質なまでに響きます。画家のしぐさもえらく神経質だし、マリアンヌもしじゅうタバコを吸っている。これらの神経質さが最初はいらだたしかったのだけど、逆に、画家が集中していく展開になると、こちらも知らず知らずのうちに集中させられてしまうので、まあ、一体感を引き出す効果になっているのでしょうかね。
モデルを演じるベアール、気まぐれで、突飛で、ちょっとタカビーで、スタイルがけっこう良くて、挑発的なんですが、これって20代のころの秋吉久美子だよな、なんて思ってしまいました。
監督:ピーター・ハイアンズ
出演:ロイ・シャイダー、ジョン・リスゴー、ヘレン・マレン
Laser Discノートリミング版
あの『2001年宇宙の旅』の「続編」ですが、この映画、監督よりも出演者よりも、SFX担当のリチャード・エドランドの名が響いていたような記憶があります。
ウロオボエの記憶ですが、「特殊効果」という言葉が「SFX」に置き換わったのは、『スター・ウォーズ』『未知との遭遇』公開の1977年ぐらいからで、それから『レイダース 失われた聖櫃』(1981年)、『ブレード・ランナー』(1982年)、『ポルター・ガイスト』(1982年)などで一気に注目されるようになったのではなかったか、と。1984年には『2010』以外にも、『ネバーエンディングストーリー』『グレムリン』『ゴースト・バスターズ』なども公開されていますね。で、そのなかでカリスマ的な特撮技術者がリチャード・エドランドとダグラス・トランブルだった、と思います。
80年代前半は、大型テレビ(25〜29インチ)、レーザーディスク、サラウンド・プロセッサ(ドルビー3ch)が普及しだした時期で、それにあわせてSFXを「売り」にした映画がビデオやLDでヒットしましたね。たしかLDなんかのセールでも、「SFXはリチャード・エドランド!」なんて煽りもあったはず。本来、裏方であるはずなのに、このころはすっかりと中心人物になっていましたね。ということは、この時期は映像づくりの一段転機であった、ということなんでしょう。
そういえば、NHKプロデューサの吉成真由美がSIGGRAPHで注目されたのって、このころだったんじゃないのかな。吉成さん、その後はノーベル賞受賞者の利根川進と結婚したけど、当時からCGに興味を持っていた者にとっては、利根川さんの方が「あの吉成真由美のダンナ」という感じでした。
リチャード・エドランドの手による『2010』のSFX、木星が太陽に変わる場面など、映画館公開当時に見たときにはけっこう興奮したのですが、現代の水準に慣れた目でみると、やはり子供だましに映ってしまう。木星大気圏でのエアブレーキの場面なんかも、ウルトラ・シリーズって感じですし。まあ、技術水準が違うのだから、仕方のないことなんですけど、逆に、数十年たっても色あせない『2001年宇宙の旅』の凄さを再認識させられちゃいますね。
ついでながら、エドランドが手がけたSFX映画でいちばん好きなのは『ポルターガイスト』です。
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