江下雅之 ESHITA, Masayuki |
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1959年、横浜生まれ。専門はメディア社会論、情報社会論、社会ネットワーク論など。好きなスポーツはローラースケート、趣味はツーリング、ライフワークは昭和40年の新書判コミックスの収集である。 twitter massa27 |
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監督:ピーター・ハイアンズ
出演:ロイ・シャイダー、ジョン・リスゴー、ヘレン・マレン
Laser Discノートリミング版
あの『2001年宇宙の旅』の「続編」ですが、この映画、監督よりも出演者よりも、SFX担当のリチャード・エドランドの名が響いていたような記憶があります。
ウロオボエの記憶ですが、「特殊効果」という言葉が「SFX」に置き換わったのは、『スター・ウォーズ』『未知との遭遇』公開の1977年ぐらいからで、それから『レイダース 失われた聖櫃』(1981年)、『ブレード・ランナー』(1982年)、『ポルター・ガイスト』(1982年)などで一気に注目されるようになったのではなかったか、と。1984年には『2010』以外にも、『ネバーエンディングストーリー』『グレムリン』『ゴースト・バスターズ』なども公開されていますね。で、そのなかでカリスマ的な特撮技術者がリチャード・エドランドとダグラス・トランブルだった、と思います。
80年代前半は、大型テレビ(25〜29インチ)、レーザーディスク、サラウンド・プロセッサ(ドルビー3ch)が普及しだした時期で、それにあわせてSFXを「売り」にした映画がビデオやLDでヒットしましたね。たしかLDなんかのセールでも、「SFXはリチャード・エドランド!」なんて煽りもあったはず。本来、裏方であるはずなのに、このころはすっかりと中心人物になっていましたね。ということは、この時期は映像づくりの一段転機であった、ということなんでしょう。
そういえば、NHKプロデューサの吉成真由美がSIGGRAPHで注目されたのって、このころだったんじゃないのかな。吉成さん、その後はノーベル賞受賞者の利根川進と結婚したけど、当時からCGに興味を持っていた者にとっては、利根川さんの方が「あの吉成真由美のダンナ」という感じでした。
リチャード・エドランドの手による『2010』のSFX、木星が太陽に変わる場面など、映画館公開当時に見たときにはけっこう興奮したのですが、現代の水準に慣れた目でみると、やはり子供だましに映ってしまう。木星大気圏でのエアブレーキの場面なんかも、ウルトラ・シリーズって感じですし。まあ、技術水準が違うのだから、仕方のないことなんですけど、逆に、数十年たっても色あせない『2001年宇宙の旅』の凄さを再認識させられちゃいますね。
ついでながら、エドランドが手がけたSFX映画でいちばん好きなのは『ポルターガイスト』です。
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新装改訂版 マンガ古書マニア | |
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江下雅之/著 長崎出版、2006年5月、1,890円 あらたに32頁を書き下ろしました。収集とネットオークションの話題が含まれています。 |
マンガ古雑誌マニア | |
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江下雅之/著 長崎出版、2006年5月、1,890円 マンガ雑誌を中心とした雑誌の収集の楽しさと辛さを書き下ろしました。 |
パトリス・フリッシー(著) メディアの近代史 | |
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江下雅之・ 山本淑子/訳 水声社、2005年8月、3,150円 大学院でメディア論・情報社会論を専攻する学生には必読です! |