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この日記について

この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。
2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。
2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。
1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。
1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。

1992年08月18日

 Grandes Ecolesの制度はフランス人でも頭を抱えるほど複雑です。
 一般に大学はアカデミック・スクール、GEはプロフェッショナル・スクールとされていますが、フランスの著名な数学者は殆どPolytechnicianですから単純にそうも言えません。また、工学や社会科学のように、基礎研究と応用との境界が曖昧な分野は、大学とGEの役割に差がありません。実際、最近は大学とGEで共通diplomeを発効することも多くなっています。ただ、実社会では依然としてGEのdiplomeの方が挌上と見做されているのは事実です。
 Diplomeで見るとGEが発効するのはmaitriseまで、大学ではmairise/licenceの上にD.E.A(Diplome d'Etude Applofondie)、Doctorat/Ph.Dがあります。D.E.Aは博士号の前提条件です。従って、GEの卒業生が博士号を取ろうと思ったら、大学に入り直す必要があります。しかし、現実にはいくつかの大学と提携し、maitrise取得後はその大学のコースに編集されることになります。例えば、ESSECであればParis IV、Aix-Marseille III等と提携し、あくまでESSECに所属する形でD.E.AやDoctoratのコースを受講することが出来ます。
 フランスでは「なんとか大学卒」ではなく、何の(どこの)diplomeを取ったかが重要です。そしてフランスは日本以上の学歴社会ですから、社会的地位を得るため幾つものGEのdiplomeを取ろうとする人が出てきます。
 一方、GEによっては「どこそこのGEのdiplome」を条件にしているところがあります。更に、いかにもフランスらしいシステムが「equivalence」というやつで、場合によってはどこそこGEのdiplomeと同等の資格があると認められることが多々あります。そしてequivalenceが認められるか否かは学長の判断一つで、明確な基準というものがありません。
 まあ、簡単に(?)まとめると、フランスではDiplomeが重要であるが故に、様々なはしごや乗り入れが行われ、高等教育制度を複雑怪奇・説明不能状態にしているといえましょう(何のまとめにもなっていない)。


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