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この日記について

この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。
2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。
2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。
1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。
1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。

1992年11月21日

 旧SF1に肉屋で小切手を支払うシーンがありました。他のテキストなどでもこのようなシーンは多いと思いますので、フランスでの一般的な「支払方法」をまとめてみました。

(1)銀行口座
 フランスの銀行制度では、日常の金のやりとりを目的とした当座預金と、利殖を目的とした普通預金(むしろ日本の定期預金に性格は近い)とに別れており、公共料金の自動振替や個人間の送金等は全て当座預金で行います。英国系の銀行が当座預金の遊んでいる資金を自動的に利殖にまわし、「当座預金でも利子がつく」といったサービスを盛んに宣伝しておりましたが、フランス系銀行のクレームで今では禁止されたようです。
 従って、日本の普通口座に位置づけられるのが当座預金。そんなわけで、口座を持っている人はごく普通に小切手を利用します。

(2)chequeかCarte Bleueかliquideか  フランスで便利なのが Carte Bleue。これは銀行のキャッシュカード兼クレジットです。年間手数料約150Fを払うと、あとはどの銀行のCDでも手数料なしで現金を引き出すことができます。ただし、引き出しは1週間に3,000Fまでと制限されています。
 パリではかなりの店でCBが利用できます。そこでは多くの客がCBを利用します。使用方はレジにあるハンディ端末に暗証番号を入力するだけ。(注:フランスでは銀行側が暗証番号を決めます。だから、複数のカードを持っていたりすると、それぞれに暗証番号があるのでえらく不自由するようです)
 ただし、スーパーや量販店では最少利用額を決めているところもあります。たいてい 50Fか100Fくらいでしょうか。万一、最少利用額に満たなくてしかも現金がないとき、仕方ないので近くのCDまで金を降ろしに行かねばなりません。私も一度経験しました。
 CBを使えない店でもchequeはOKというところは多いようです。ただし、これも店によっては最少利用額を決めているところがあります。
 ごく大雑把に言うと、財布の中には 200、300F入れておき、100F以上の買い物ではなるべくCBやchequeを利用するという例が多いように思えます。私もたいていliquide は300F程度だけ、ただしCBやchequeはたいてい持ち歩きます。

(3)どんなときにchequeは便利か?
 日本で普通の人になじみのないcheque、ではどんな時使うと便利か?
 何と言っても銀行振替の代わりに利用できるのが便利です。たとえば何かを買って請求が来る、あるいは公共料金の請求が来る、こんなときはchequeにサインして送るだけで終わり。また、日本ではまだ保険や交通などサービス関係はクレジットカードを利用できないため、現金を事前に用意する必要がありますが、フランスでは簡単にchequeでOK。
 個人間でもchequeを利用することが多々あります。誰かに何かを任せてきて貰う、支払は現金よりもchequeが好まれます。何しろ週3,000Fという引き出し制限がありますから...。
 自分の口座から余分に金を引き出すときもcheque。
 こんな便利なものでも、最近は偽造、盗難の流用、焦げ付き等が多いので、利用時に身分証明書の提示を要求されることもあります。政府はなるべくCBを利用させようとしているようです。

(4)日本の銀行制度との違い
 暗証番号以外にも色々な違いがあり、慣れないうちはえらくとまどいます。
 何よりフランスの銀行には預金通帳なるものが存在しないのですよ!取引内容は全て月初めに明細が郵送されてきます。代わりに口座証明 R.I.B(Releve d'Identite Bancaire )なるものがあり、自動振込や銀行引き落としの際に必要となります。これは小切手帳にくっついているのを切り取るかコピーするほか、CDでも発行可能です。
 とまどったのはCDでの入金方法。手順は次の通り。
  1. カードを突っ込み、暗証番号を入力。
  2. ディスプレイから入金に相当する欄を選ぶ。
  3. 現金かchequeかを聞いて来るので、どちらかを選択。
  4. 入金する額を入力。
  5. 操作日時、口座番号、入金額等を記入したスリップが出てくる。
  6. 備え付けの封筒にそのスリップと現金またはchequeを入れ、封をしてから投入口に突っ込む。ただし、chequeの場合は裏に自分のサインをする。
  7. 顧客控え用スリップが出てくるのでそれを取り出す。
  8. 終わり。封筒内の現金の行方を心配しつつ帰宅。

 入金がコンピュータに記録されるのは翌日になります。入金だけでなく、自動振込の記録も全て翌日になりますので、残高が正確に分かるのは厳密には出入金のある翌日ということになります。日本のような大規模なコンピュータ・システムではないわけです。



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