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この日記について

この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。
2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。
2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。
1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。
1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。

1993年03月09日

 前でリクルートの話をしたが、たまたま教室ででくわした級友と収入について話をした。彼曰く「Massaはフランスで就職するの?」、我応えて曰く「その意志はないね。給料悪いから」。彼続けて曰く「でもこの学校のディプロムがあれば、年収**Fはいくよ。」
 彼の語った数字は2年前の私の年収の僅か3分の2であった。
 実際私はほぼ佐*急便の長距離トラック運転手並みの労働時間をこなしていたので、同年代の平均年収よりかなり稼いでいたのは事実である。しかし、彼が語った数字は1F=21円として換算すると、日本の33才大卒サラリーマンの年収として決して魅力ある数字でないことも確かである。人気職種のエリートでこの程度、と言っても決して事実には反しないだろう。
 改めて考えてみると、日本の国民一人当たりのPIB(GDP)は91年で3.5万ドルである。一方、ECでも上位に属するフランスは2.3万ドルである。因みにEC最強の旧西ドイツでさえ2.7万ドルである。労働分配率の差があるのでPIBだけでは比較できないものの、日本の労働者の平均年収はフランス人よりも4割程度高いのではないだろうか。彼が私に語った数字もこの差を考えれば何となく理解できる。(換算レートは1ドル=122円、1F=22円)
 換算レートに意義をとなえる人もいるかもしれない。実際、OCDEの購買力平価でみると、1ドル=175円、1F=27円程度である。このレートで換算すれば、彼の示した数字はほぼ私の年収に近いものとなる。
 しかし、購買力平価は確か旅行者のモデル出費を元に算出したものであり、これを所得水準の比較に用いるのは、かなり現実の生活実感からかけ離れた結果を招きかねない。私の実感では、1F=22円がだいたい購買力を反映した水準ではないかと思われる。ニューヨーク、ロンドン、パリ駐在の商社マン夫人を対象としたアンケートでもほぼ同様の結果が出たそうだ。
 生活コストや実労働時間を考慮しても、収入目当てに働くならやはり東京に限ると言ってよさそうだ。まあ、これはあくまで数字の上だけの話であって、通勤ラッシュや仕事の満足感などは念頭に置いていないが...。


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