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この日記について

この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。
2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。
2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。
1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。
1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。

1993年11月25日

 axiome:ユークリッドの公理(ユークリッド幾何学の仮説です)
「ユークリッドの第五公準(=補題)は公理なり」(ガウス)
 選択公理(これが集合論の根本的仮説です)→ L'axiome de choix
 ペアノの公理(自然数の定義です)→ Les axiomes de Peano
 現代数学で用いられている根本的な公理系は「ツェルメロ=フレンケルの公理系」と呼ばれるもの。
 → Theorie des ensembles de Zermelo-Fraenkel
 lemme: ツォルンの補題(選択公理から直接導かれる定理)→ Lemme de Zorn
 theoreme:ガウス=ダランベールの定理(別名:代数学の基本定理)
 三平方の定理(ピタゴラスの定理)
 theorie:【論理学】theorie complete (saturee)完全な理論
 → 完全性に関連するのがゲーデルの有名な定理です。
 → Les theoremes d'incompletude et d'indecidabilite
   Les theoremes d'incompletude de Godel

 たとえばぼくが何か論文を書くとしましょう。まあ、江下程度の論文では、公理を立てるなんで大それたことはできません。いろいろと証明を重ねる上で、別の定理を証明するための「定理」には、Lemme または Propositionと名付けることになります。Lemme は一種の汎用サブルーチンですね。
 日本語で書くとき、Lemme は必ず「補題」ですが、Prop. は「定理」としたり「命題」としたりする。証明の前に言うか、証明の後に言うかで、微妙に使い分ける人もいるみたい。
「 A ならば A でない」これは命題であっても定理ではありません。
「 A ならば A である」これは一般に「恒真命題」(tautologie)の例。
「 A ならば B である」ある公理系において A が成立するとき B も成り立てば、これは「定理」です。
 そうそう、Propriete を「論理式」と解釈していたので、どこかピンとこなかったのです。そうか「命題」か。これですっきりした。うっかり「命題」という言葉を忘れていたのだ。
 regle や lawは社会科学とかエンジニアリング、自然科学の中でも実験物理で使う用語ではないでしょうか。現代数学では一般的ではありません。
 ヒルベルト以降の数学は「形式主義」と言いまして、「初めに公理ありき。そこから定理が形式的に導かれる」という姿勢です。regle は axiome または hypotheseかな。数学用語では「律」と呼ぶ場合もあります(例:同値律)。
 law は lemme か theoremeでしょう。ギリシア時代の古い定理で使う場合はあります(例:円周角不変の法則)。中には「原理」(prancipal/aux )というケースもあります(例:岡の原理)が、これも定理のことです。


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