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この日記について

この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。
2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。
2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。
1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。
1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。

1994年12月04日

 あの〈Qu'est-ce que c'est,"OTAKU"?〉なるルポはぼくも見たけど、フランスの報道特集らしくないという印象を持った。F3の〈Marche du Siecle〉あたりが扱えば、だいぶ内容も構成も違うんじゃないかなあ。
 なんというか、奇異な現象にスポットをあて、「こんな変な連中がいるんだぜぃ」みたいな視点が多かったような気がした。こういうセンセーショナルな扱いって、どちらかというとアメリカ的という気がするけど、こりゃ偏見かな。フランスのジャーナリズムだと、どっちかといえば、その背景とかメカニズムについての哲学的考察なんかをやりたがるような印象がある。
 オタクについては、漫画という日本文化が生み出した現象というよりも、階層なき過剰競争社会の結末という気がする。このあたりの分析は中島梓『コミュニケーション不全症候群』に詳しいのだけど、同じ社会的状況が生じれば、ぜったいにどの文化圏にもオタクは生まれると思う。直感的には、アメリカの〈白人屑〉なんてのも、アナロジーが成り立つような気がする。
 このあたり、「競争とアノミーとカウンター・カルチャー」という視点から眺めれば、かなり普遍的な原理みたいなのが導き出せるような気がするんだよねえ。


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