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この日記について

この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。
2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。
2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。
1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。
1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。

1997年06月01日

 ぼくはジュペもロカールもけっこう好きでした。エリート然とした政治家にシンパシーを覚えるのです。ロカールの場合、前回の総選挙でコケてしまったことが、それまでの実績をすべてリセットしちゃいましたね。
 ジュペにしてもロカールにしても、いずれも首相就任当時は誰もが認める「次期大統領候補」「党の切り札」的存在でしたよね。しかも誰が首相になっても困難な状況でした。だから大統領はエースを投入したのか、それとも自分を脅かす芽を摘むために投入したと考えるかは、格好の井戸端政治談義ネタでしょう。
 今回の結果は、「ありゃりゃ、左派有利かいな。んじゃ決選投票では右派にすっか」という寝返りを招く可能性もあるんじゃないか、という気がします。基本的に右でも左でもいい、といったところだし、不人気のジュペが辞任したことが、ちょっとしたガス抜きになったのではないか、と。うちの郵便受けにはジャック・トゥーボン支持を訴える極右候補支持団体のチラシが入っておりました。
 政治と世論調査との関係については、ドイツのコミュニケーション学者エリザベート・ノエル=ノイマンによる有名な研究があります。「沈黙の螺旋」理論というのですが、これが実際のメカニズムとして反映されているとすれば、選挙前に世論調査を禁止するのはひとつの見識だと思います。これは基本的に「勝ち馬に乗る」現象に注目したものですね。
 バイアスのかかっていない世論(調査)なんてありえないんだから、世論調査の公表を禁止して冷却期間を強制的に作るという制度は理解できるものの、いまみたいにメディアの発達した社会では、根本的に無理があるってことなんじゃないでしょうかねえ。なんにせよ、フランスの静かな選挙はニッポンも見習ってほしい(笑)。


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