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この日記について
この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。 2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。 2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。 1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。 1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。 |
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■ 1998年09月 アーカイブ |
Lido で上演している大道芸はさまざまです。客の反応が悪いと、三日でクビになるというから、かなり厳しい世界なんでしょうね。
ぼくが見たときに印象に残ったのは、ひとつは東洋人の「壷芸」(っていうのかな)。やることは単純極まりない。おでこに壷を乗せて、それを回転させたり位置を変えたりするだけ。でも単純だけど、あんなことは絶対に真似できないと思わせる凄さはあった。
で、最後に超特大の壷(ってよりも、ほとんど火鉢サイズ)を、両手に持って勢いをつけておでこに乗せた。がしかし、乗せたはいいけど、見るからに相当な重量があります。それをどうやってまわすのだろうと思っていたら、その芸人、壷をまわすのではなく、壷の位置を変えないまま、自分の立つ位置を90度ずつ回転させた(笑)。その間のとりかたの絶妙さ。場内は大爆笑でした。
その他、体操チームのアクロバティックな芸もあった。
最後に登場したのは帽子芸の人で、この芸人はレギュラーみたいですね。接待に連れてきてくれた人は、いつも出ていると言ってました。これはもう爆笑の連続だった。とにかくわざと失敗ばかりするのです。そして最後にものすごい技をびしっと決める。あれは見ていて、「いよ!
大統領」という古典的な合いの手をいれたくなってしまう(笑)。
小銭の両替といえば、うちの近所の郵便局にはついに札の両替機が導入されました。昨日、アメリカの知人宛に郵便物を送ろうと思ったのだけど、窓口が混雑していたので、自動販売機で vignette を買おうと思った。でも小銭がない。仕方ねえ、行列に並ぶか……と思ったら、見慣れない機械が一台。それが札の両替機だったのです。
対象は 50、100、200 Frs札で、50 Frs 札を入れたら 10 Frsコインが四枚、5 Frs が一枚、1 Fr が五枚出てきました。
札の入り口が日本の機械とは違う。丸いのですね。正確には、丸みを帯びたU字型。ちょっと違和感はあるけれど、その形に沿って縦方向に札を突っ込めば、ぐいーんと吸い込んでいきます。
ヨーロッパではドイツがわりと早くから自販機で札を扱えるようになりました。マルク紙幣のデザインが変更になったとき、札に金属ストライプが埋め込まれ(偽造防止のため)、そのストライプに金額と単位がプリントされたのですね。それで比較的簡単に読みとりができるようになった。
フラン紙幣のデザイン変更が決まり、サン・テグジュペリの 50 Frs が登場したときも、金属ストライプが埋め込まれた。これでフランスも札を扱える自販機が増えるかなと期待したのだけど、フランの方にはそういう刻印が見あたらなかった(マルクはわりとはっきりわかります)。ちょっとガッカリしましたね。
でもまあ、ストライプ部分だけで認識させるわけではないでしょうから、新札が完全に登場した時点で開発したのかも。
Lido ではいちばん安いチキンを食いましたが、あれって完全に Rest-U 並みですね。料金は20倍するけど(笑)。まあ、Resto-U では、おっぱいショーも大道芸も見られないですからねえ(当然か)。
★★★レストランでもないのに札のチップっていうのは、たしかに悪趣味って感じですねえ。支払が 700 Frs、人数がかりに四人なら、置いてもせいぜい 40 Frs じゃないですかねえ。それでもよほどサービスがいいとかって場合あと思うけど。
今年の夏にオーストリアのザルツブルクで何度か食事をしたときは、どの店もカード明細のチップ欄を空白のままスリップを持ってきたので、キリのいい数字を足してチップ込みで決済したのだけど、小銭をまったく置かずに去るのは、なんとなく物足りない感じがありました(笑)。
Lido は一度だけ接待の便乗で行ったことがあるけど、あそこはいいですねえ。何がいいって、おっぱいショーの合間にやる「大道芸」がすばらしい。これぞ金を取る芸!……という感じです。
LIPP ではいくらだったかな。60 Frs ぐらいだったような記憶があるのだけど。あの店、それほどムチャクチャ高いわけじゃないですもんね、Brasserie だし。
Brasserie のあの超大ボリュームのサラダを知らないと、「フランス人は朝食は軽くパンをかじるだけ、昼もサラダですます」なんて話を完全に勘違いしちゃうでしょうねえ。いつだったか、assiette に目玉焼きもあわせて頼んだら、苦しくて胃が破裂しそうな気がしたもんだ。
フォア・グラはやっぱ煮こごりを周囲にまぶしたやつがいい。LIPP のはその点でカンペキっすね。
たまーに近くの Brasserie Port Royal でブランチを取るのだけど、普段はたいてい assiette ですね。店によって呼び方は多少違うだろうけど、要するにボリュームのあるサラダに肉系か魚系の具を混ぜたやつです。まあ、大量の野菜の上にローストビーフなりツナなりが乗ってるってやつで、だいたい 35〜42 Frs ぐらい。Brasserie で昼食ったら、Hot Dog、Croque Monsieur、そしてコイツでしょう。ああ、食いたくなってきた(笑)。
先日、中公新書の編集部に行った折、みやげにもらった本のうちの一冊が
フランス現代史 〜英雄の時代から保革共存へ〜
渡邊啓貴・著、中公新書 no.1415
でした。
この本のすごいところは、ドゴール時代からジョスパン政権までを扱っているところですね。たぶん、脱稿寸前で何度も加筆していったんじゃないのかな。担当編集者の話でも、とにかく著者が思いの丈をこめて書いた一冊、ということでした。
ドゴール時代、そしてミッテラン時代は、今後何十年にわたってさまざまな評価がなされるだろうけれども、それらの時代を肌で接した人による現代史、それも執筆中に進行しつつある状況までも捉えた「現代史」という点でも、なかなかユニークな本なんじゃないか、という気がいたしますね。
内容はやや教科書的なところもあるのだけど、その時代を共有している我らが読むと、かえってすっきりと整理された印象も受けます。かなりのページ数があるために新書にもかかわらず920円プラス税という値になっているけど、値段分のおもしろさは十分にあると思いますね。