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この日記について

この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。
2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。
2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。
1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。
1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。

1998年12月15日

 グランゼコールの場合は、学校によって留学生の受け入れ条件がまったく異なります。どの年次から入学できるかも、日本での学歴・実務歴によって異なり、すべては「交渉次第」といっていいでしょう。ぼくは ESSEC という経済商業系グランゼコールの 3e cycle に6年前に留学しましたが、そのときはフランスで学部長と直接面談して交渉しました。
 ただし、グランゼコールには国立と半官半民のところとがあって、国立の場合はもうちょっときちんと制度化されているかもしれません。一般に日本の大学学部卒であれば license を持っているわけですから、少なくとも 1er cycle は免除されます。ただし、グランゼコールによってはいきなり 2e cycleから始まりますので(Polytech や Normale などがそう)、そういう場合は、学年としては第一学年からの開始になります。
 ええっと、日本の獣医学科って6年で卒業でしたっけ?
 もしそうであれば、4年生となると卒業見込みですらないはずですから、1er cycle の免除も交渉次第になってしまうかもしれません。もしも4年で卒業ということであれば、交渉次第ではいきなり 3e cycle に編入してもらえるかもしれません。ただし、グランゼコールによっては、3e cycle は大学との共通 diplome しかないところもあります(登録先はグランゼコールでも、実際の教授などは大学側)。そのあたり、獣医学関係のグランゼコールの制度がちょっと不明なので、ややわかりかねるところがありますが……。
 念のために説明しておくと、フランスの高等教育機関の過程は、
 
 1er cycle:日本の一般教養課程にほぼ相当(2年)
 2e cycle :日本の学部専門課程+前期博士課程にほぼ相当(2年)
 3e cycle :日本の後期博士課程にほぼ相当(4〜5年)

 注意しないといけないのは 2e cycleで、一部の学部を除き、最初の一年で学士号(license)が与えられ、次の年に修士号(maitrise)が与えられます。つまり、日本の修士課程卒業は、フランスでは大学4年修了と「同格」とみなされる、というのがタテマエなのですね。
 ただし実際には、日本の大学で修士号と取っていれば、同一専門ジャンルなら、いきなり 3e cycle の DEA(あるいは DESS)過程に登録できるはずです。また、グランゼコールはさらに柔軟で、学部卒でも実務経験があれば 3e cycle への登録が認められ、ぼくもこのケースに相当しました(専門ジャンルが違っても可)。
 ……ということで、実際にどういう扱いになるかは、本人みずからが留学候補先の学部長ないしは指導教授に直談判しないかぎり、なんともいえません。フランスに留学しようと思ったら、まず第一に指導教授を見つけることが第一歩です。逆に指導教授を見つけることができたら、かなり細かなケアまでしてもらえます。


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