過去の日記一覧
|
この日記について
この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。 2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。 2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。 1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。 1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。 |
■ 本・雑誌の話題カテゴリー カテゴリ「本・雑誌の話題」に投稿されたすべてのエントリのアーカイブのページが、新しい順番に並んでいます。 一つ前のカテゴリーは、「時事ネタ」です。 次のカテゴリーは、「美術の話題」です。 |
ついに/ようやく/なんとか中公から新書を刊行するに至ったのが先月末。いろいろな友人に献本をしたのだが、いろいろと好意的なコメントがメールで届く。
News Digest の方は、最初から一年という話でしたので、今月いっぱいでオシマイです。
隔週っつーのは、やっぱしんどい。
古本の場合は、日本でもフランスでも言えば取り置きをしてくれますよ。店によって有効期間が三日であったり一週間であったりはするけど。とにかく店の人に買う意志を示しておけば大丈夫。安売り本はダメだけどね。
いつだったか、知り合いのコレクターが、とある古書市の他の店で掘り出し物を見つけ、あとで買おうと思って目を付けておいた。が、ふと気が付くと、石川栄基さんという名うてのコレクターがそれを買ってしまっていた。この石川さん、京都手塚ファンクラブの創設者です。
で、彼が「あれはぼくが先に目を付けてたのにぃ」とボヤくと、石川さん曰く、「目ぇつけたんはお前が先かもしれんけど、手ぇつけたんはわしが先やで」
……ということで、古本を見たら手を付けるのはお早めに(笑)。
フランスでは古い雑誌、新聞、書籍がわりと安く手軽に買えるのでびっくりしてしまう。以前、友人に頼まれて1894年発行の書籍(皮表紙)全2巻を買ったことがあるのだけど、合計でたったの 800 Frs だったんですよねえ。予算は 2000 Frs と聞いていたので、あまりの安さにガクっときました。
本の背や腹はさすがにカビが付いていたりしたけど、中の状態は綺麗なもんです。活字もくっきりとしている。紙だって当時は中性紙だったんでしょうね。ボロボロのところなどまったくありませんね。まあ、保存状態がいいのは、気候の影響もでかいかもしれない。
日本でも神田神保町の大屋書房に行けば、明治時代の地図や冊子が案外と安い値段で売ってますぜ。何年か前に明治後期に発行された北斎漫画を見つけたけど、たしか千円はしなかったと思う。
先日、中公新書の編集部に行った折、みやげにもらった本のうちの一冊が
フランス現代史 〜英雄の時代から保革共存へ〜
渡邊啓貴・著、中公新書 no.1415
でした。
この本のすごいところは、ドゴール時代からジョスパン政権までを扱っているところですね。たぶん、脱稿寸前で何度も加筆していったんじゃないのかな。担当編集者の話でも、とにかく著者が思いの丈をこめて書いた一冊、ということでした。
ドゴール時代、そしてミッテラン時代は、今後何十年にわたってさまざまな評価がなされるだろうけれども、それらの時代を肌で接した人による現代史、それも執筆中に進行しつつある状況までも捉えた「現代史」という点でも、なかなかユニークな本なんじゃないか、という気がいたしますね。
内容はやや教科書的なところもあるのだけど、その時代を共有している我らが読むと、かえってすっきりと整理された印象も受けます。かなりのページ数があるために新書にもかかわらず920円プラス税という値になっているけど、値段分のおもしろさは十分にあると思いますね。
一週間前のことなんだけど、日本出発の前日、神保町をあちこちひやかしていたところ、長嶋書店という古書店の店頭に、ポプラ社のルパン・シリーズの本が3冊、束ねられているのを発見。手にとってみたら、『8・1・3の謎』『三十棺桶島』『虎の牙』でした。
いやー、なつかしい。ポプラ社のこの児童向けミステリーは、小学校3、4年生のときに夢中になって読んだんですよね。もう三十年も前のことになるわけだけど。たしか全十五巻だったと思います。その三冊、セットで百円だったので買ってしまいましたが。
で、ちょっとした発見というのはそれだけじゃなくて、先日某古書店からもらった絶版漫画目録を眺めていたら、おなじくルパン・シリーズが、永井豪の手で漫画化されていたことがある、ということ。これは知らなかった。目録によれば、
奇岩城、S59初、小学館、並、800円
怪盗紳士、S59初、小学館、並、800円
ルパン対ホームズ、S59初、小学館、並、800円
金三角、S59初、小学館、並、800円
虎の牙、S59初、小学館、並、800円
八点鐘、S60初、小学館、並、800円
最近の古マンガ市場での永井豪の高騰ぶりからすると、状態が並でこの値段は、復刻ではなく実際にあたらしいものなのかな、なんて思うんですが、雑誌にこういう連載があったなんて話を、不覚にも知らなかった。
ガロアは失意のさなかに娼婦に岡惚れしてしまい、そのヒモとピストルで決闘し、そのとき受けた傷で死んだということになってます(E.T.ベル『数学をつくった人々』の「天才と狂気」で紹介されている説)。
ガロアの出身高校 Louis Le Grand はパンテオンとソルボンヌの間ぐらいにあります(パリ第一大学のパンテオン校舎の向かい)。
うちにある源氏物語フランス語版は、
Le Dit du Genji, Rene SIEFFERT
Publications Orientalistes de France
というやつです。
全二巻、各700頁ほどもある大作で、十分に枕としても使えます(笑)。いくらだっけかな。たしか 600 FTTC ぐらいだったと思うけど。労力にくらべたら信じられないほどの値段ですね。
藤田さんの訳書『死刑執行』(新潮社)をざっと読んだのですが、最後の処刑の場面はすさまじいですね。もちろん首を切られている場面は描写されていないけど、刑場のある刑務所に向かうところから、庭で水をかけるところ(血を流していたのだと思う)までが、非現実的なドラマという感じで流れている。ついつい「ノンフィクションはフィクションである」という箴言を思い出してしまう。
この本で描かれた刑場はラ・サンテ刑務所にあるというのだけど、ここはパリの我が家から徒歩10分ほどなんですよね。郵便局に荷物を取りに行って、帰りにちょっと逆方向に向かえばすぐに刑務所の壁に突き当たる。で、ギロチンはその中庭にぽつんと置かれていたらしい。正直なところ、ちょっとぞっとしました。
藤田さんに貸してもらった『赤いセーターは知っていた』によると、ギロチン処刑は20世紀初頭まで公開されていたそうですね。死刑を公開にすれば犯罪抑止力が増すという主張もあるんだけど、当時はそんな効果があったのだろうか?