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この日記について
この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。 2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。 2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。 1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。 1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。 |
1994年、フランスを代表するエリート校、Ecole Polytechniqueの創立200周年記念切手が発売された。この学校、仕組みの上では大学ではなく、一般に高等専門学校(grandes ecoles)と呼ばれるフランス独自の高等教育機関の第一号だ。設立したのはナポレオンで、科学技術面で国を担う人材の養成を目指したのである。モンジュ、コーシーなど、当時を代表する数学者がここの教授陣に名を連ねていた。いまでもそうだが、ここへの入学は数学者を目指すフランス人の目標となっている。ポアンカレ、エルミート、グロタンディック、セール、マンデルブローをはじめ、Polytechnique出身の著名数学者はいくらでもいる。
設立者がナポレオンということもあって、この学校は軍との関係が深い。というか、所轄官庁は軍だったはずだ。毎年7月14日の革命記念日軍事パレードでは、この学校の在校生がいちばん最初に行進している。数学者や物理学者だけでなく、数多くの技術者、官僚、企業経営者を輩出している。
フランスの大学には入学試験がない。しかし、grandes ecolesには厳しい選抜試験がある。その準備のために二年間の準備学級が用意され(有名リセに付属する形らしい)、その期間を経てようやく受験となる。もちろん準備学級に進むのにも選抜がある。いわば、日本の旧制高校のようなものだ。grandes ecolesの入試に失敗した者は、大学の三年に編入が可能である。
……というのはごく一部のgrandes ecolesに対する説明で、実際の仕組みはもっと複雑なのだ。フランスには私立大学がないかわりに、各地の商工会議所が発足させた私立の経済商業系grandes ecolesが多々存在する。それらの選抜方式は学校によって異なる。全体像はフランス人にもよくわからないそうだが、社会人になってからもさまざまなキャリアパスのコースが用意されている点は、じつに柔軟な仕組みといっていいだろう。
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